啓林堂書店 メールマガジン

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啓林堂メールマガジン
11月号 2019.11.1
啓林堂書店 http://www.books-keirindo.co.jp
言葉は、変化し続けるから、面白い。
つまづきやすい日本語

 クイズ番組などでよく「間違いやすい日本語」として、 A B 、どちらの言葉・慣用句の使い方が正しいか?という二択の問題を見かける。日常では A を使うが、本当の意味は B 。今は多くの人が誤った使い方をしている…そんな解説を聞いたことがある方も多いのではないだろうか。

  しかし、今回紹介する『 つまずきやすい日本語 』(NHK出版)では、冒頭次のように紹介されている。
 「「間違いやすい日本語」と言ってしまうと、ことばには「正解」「間違い」があることになります。でも、学校のテストと違って、実際の生活の中で使うことばには、「これを覚えておけば、常に正しい」という、絶対的な正解はありません。同じく、絶対的な間違いもありません。(中略)この講座では、「間違いやすい日本語」を示すことはできません。むしろ、あらゆることばが、ある場合には正しく、ある場合には間違いになってしまうという、その難しさを考えていきたいのです。」

 本書のタイトルにある通り、私たちは言葉でよく「つまずく」。
 例として取り上げられていたのはある嫁と義母のエピソード。中華料理を取り分けてくれた義母に嫁がにっこりと笑って「抜け目のない方」と言ったことで義母は頭が真っ白になってしまったのだそう。

 嫁が義母に嫌味を言ったのかと思いきや、事実はそうではない。嫁は義母に良い意味で「抜け目のない」という言葉を使っていたのである。著者によると、「抜け目のない」という言葉には、元々「ずるがしこい」といった悪いニュアンスが含まれているのだが、その一方で、最近のスポーツ記事などでは「抜け目なく点を取る」、と言ったように「手ぬかりなく」といった悪くないニュアンスで使う場合も多くなってきたのだという。今回の嫁と義母のエピソードは、ニュアンスの受け取り方が違ったために行き違いが生じてしまったのである。

  言葉の世代間ギャップによって発生した行き違い。だが、本来ことばは時間とともに変化するものである。高校で習う古文がいい例だ。平安文学の「うつくし」は、「美しい」ではなく、「かわいらしい」の意味だとご存じの方も多いと思う。言葉は時間をかけて変化して行く。変化することこそが言葉の本質なのである。その上で、厳密ではない言葉とどう付き合っていくのがいいのか? 本書を読み進めていくと改めて考えさせられるだろう。

 本書ではいくつもの行き違いの例が紹介されているが、中でも興味深かったのは方言の章。先生に「教科書を立ててください」と言われ、生徒たちが取った行動とは…? そもそも方言と気づいていなかったために相手が勘違い、ということが多々ありそうな例が他にもあげられている。詳細は本書をご確認頂きたい。

 辞書編纂者である著者の、言葉に対して慎重に、かつ真摯にあろうとする姿勢が伺える。
 興味深い辞書の歴史なども必見!

今月の私の1冊
妄想国語辞典  」
【扶桑社】
野澤幸司/著
妄想国語辞典

「世の中にないけれど、これから生まれてくるかもしれない日本語の辞典」である。
まだ世の中に生まれていない言葉が辞典になっているとはどういうことだろう?と思って本書を開いてみたのだが、読み進めて行くにつれ、「成程、そういうことか」と思わず納得してしまった。

例えば、『伸びしろ採用 【意味】一か八かの選択』『健診前の炭水化物抜き 【意味】根本的な解決でないこと』『なるほどですね 【意味】何の関心もないこと』。取り上げられている例は、どこか心当たりのあるものばかりである。

なお、私が膝を打ったのは「クソ美人」の項目。章末にコラムまで設けられて詳細が解説されていたのだが、なんとも言えないモヤっとした語感の正体が的確に指摘されていてスッキリした。

本書にあげられている言葉のいくつかは他の言葉でも言い表せそうだ。もし続刊が出るようなら、今度は体裁も辞書風に、類語も一緒に載せて頂きたいところ。隙間時間の息抜きにもおすすめ。

今月の私の一冊
ミニコラム「私と本」
≪今月の担当≫ 
ジュンク堂書店奈良店 店長 中村潔

 最近はおしゃれな本屋さんが増えている。
 珈琲をのんだり、雑貨と一緒に本が並んでいたりもする。
 素敵だと思う一方少し居心地が悪い自分がいる。
 色々な人や本があって少し雑然としている街の本屋さんの方が、自分には合っているのかもしれない。
 新しく店を開ける時は、どんなお客様が来られるか想像をする。
 出来るだけ色々な人が店舗に足を運んで下さるように考えるのは、何度やっても魅力的な時間である。

Chat & Chat

真新しい本の表紙を開いたときの、のりがバリッと剥がれる音が苦手です。重量のある図鑑や図録、そして豪華版の単行本…それもあり、先日大型の図録を抱えるようにして読んでいたのですが、いつの間にか腕がしびれて固まってしまうという事態に。そもそも最初に表紙を大きく広げておけば、それきりもう音はしなかったのでは・・・? すでに後の祭りでした。

★11月1日は本の日です。ぜひ書店にご来店下さい!

 
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( http://www.books-keirindo.co.jp/gaisyoubu.html )にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
 
 
□ おすすめ児童書
どんぐりころころ 』 【ひさかたチャイルド】大久保茂徳/監修、片野隆司/写真撮影 どんぐりころころ

 秋になると林や公園などに落ちているどんぐり。
 よく見ると大きさや形も色々です。この絵本には17種類の実物大のどんぐりの写真や、どんぐりの春から秋にかけての成長の様子が載っています。どんぐり拾いの季節にぴったりの写真絵本。地面に落ちたどんぐりはその後どうなるのかな?

 
 
□ 外商部おすすめの奈良本 万葉集であるく奈良
万葉集であるく奈良  』
【新潮社】上野誠、蜂飼耳、馬場基/著
 飛鳥、藤原、平城京―。『万葉集』に詠われ、『万葉集』を育んだ、日本の歌のふるさとへ、当代随一の研究者や詩人に誘われ旅するビジュアルブック。
 
 
「おすすめ児童書」・「おすすめの奈良本」 12月号は、11月下旬に更新予定です! お見逃しなく!!
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