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啓林堂メールマガジン
12月号 2018.12.3
啓林堂書店 http://www.books-keirindo.co.jp
54字で綴られる物語
意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語  「先日研究室に送ってくれた大きなエビ、おいしかったよ。話は変わるが、例の新種生命体のサンプルはいつ届くのかね?」(『消えた贈り物』)
 表紙にいきなりこの話を載せるのはずるい。思わず気になって本を手にとってしまった。
 博士が新種生命体のサンプルをエビと勘違いして食べてしまったという話だ。余程見た目がエビに似ていたのか。いや、博士はまだ新種生命体を食べてしまったことに気づいていない。味も相当エビに似ていた、もしくはそれ以上だったという可能性が高いと言える。

 この話が収録されているのは、『意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語』(PHP研究所)。9マス×6行の原稿用紙につづられた54字の超短編小説は、本書の著者・氏田雄介氏がSNSに誰でも手軽に投稿、参加できる形として最初に提案した。
 本書はそんな氏田雄介氏が生み出した作品より、90編の選りすぐりをまとめている。作品にはそれぞれ次のページに解説がついており、最初に読んだ時には気づかなかった物語の奥行きなども一緒に楽しむことができるようになっている。
 下記、少し本文をご紹介。

 「「ただいま」と言えば「お帰りなさい」と返ってくる新生活が始まった。家賃も安いし、こんな一人暮らしも悪くない。」
 ちょっとぞっとする話。だが悪くない、と言っている辺り、肝心の語り手はこのできごとをポジティブに捉えているようである。答えになっているためタイトルはあえて伏せているが、本書ではさらにもう一歩踏み込んで著者が解説をしている。
 さらに別の話をもう一編。
 「登校時と下校時でカバンの重さは変わらなかった。今日は好きな人ができて初めてのバレンタインデーだったのになあ。」
 こちらは二つの視点から読むことのできる話になっている。あなたはどちらの視点で読んだだろうか? なお、私は著者の解説を読んではじめて、もう一つの視点の存在に気がついた。

 他にも面白い話が多数紹介されている。こちらは本文を伏せておきたい話である。二編ご紹介。
 海外に飛び立つ息子のためを思って辞書を持たせた父。だがその思いは思いがけない形で息子に届く事となる…『辞書の使い道』、息子にとってはかなり切迫した事情だったのだろう。物の使い道は一つとは限らないという好例である。
 『寿司の回転率』。寿司屋の売上を上げるにはどうすればいいのか。こんな店長が現実にいると困ってしまうが、本文を読んだ瞬間、面白い映像が浮かんで思わずくすりとしてしまった。寿司だけにまるで漫才のネタのようだ。

 本書の最後にどんな話が収録されているか、読者は途中で著者から問いかけを受ける。これは何かありそうだ、と身構えていたにもかかわらず、私は作者の思惑通りに驚いてしまった。少し悔しい。この真相はぜひ自分の目で確かめてみて欲しい。原稿用紙最後の一マスが空白なのが効いている。

 ちょうど11月中旬に“ゾク編”の『54字の物語 怪』が発売されたばかりである。こちらはちょっと“ゾクッ”とする怖いお話が中心。本書がお気に召した方は、こちらも一緒にいかがだろうか?
今月の私の1冊
雑草はなぜそこに生えているのか 弱さからの戦略
【筑摩書房】  稲垣栄洋 著 ¥907
雑草はなぜそこに生えているのか 弱さからの戦略 普段、何気なく目にしている雑草。花壇の端や道端、アスファルトの隙間からと、どこにでも生えて、しぶといイメージが皆さんの中にはあるのではないだろうか。
そんな強いイメージのある雑草だが、実は植物の中では弱い存在だった。弱いからこそ、彼らは自分達の生き残りをかけて様々な工夫を凝らしていたのである。
雑草をあえて育ててみた、という著者の観察が非常に興味深く面白い。一斉に種を蒔いてもすぐに芽は出ず、発芽するタイミングはそれぞれバラバラ。普段見慣れている花壇に植えられた花々や、流通している野菜などが、いかに管理しやすい性質になっているのかを実感する内容となっている。
雑草は踏まれても踏まれても立ちあがる? 実はそれも間違い。彼らは“あえて”立ち上がらないのである。
雑草の秘密に迫る1冊。
今月の私の一冊
ミニコラム「私と本」
≪今月の担当≫ ジュンク堂書店奈良店
社員 渡部大輔
 12月は、本屋にとって一番忙しい季節だ。
 クリスマスプレゼントを買いに来るお母さんやおばあちゃん、来年の手帳、カレンダー、年賀状作成の本などなど様々なお客様が一年の終わりに向けて様々な本を求めて来店される。
 そういったお客様を接客しているうちに自分自身ももうすぐ今年が終わるなということを実感する。
 一番忙しい月だが一番季節感を感じることが出来る月でもある。
 そういう私も年末に向けてどの本を買うか迷っている一人だ。
Chat & Chat
 発掘した古い新刊案内のチラシに、懐かしのノストラダムスの文字を発見。現在師走。結局予言は当たらず、もうすぐ2019年を迎えようとしています。
 
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ(http://www.books-keirindo.co.jp/gaisyoubu.html)にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
 
 
□ おすすめ児童書
Michi』 【福音館書店】  junaida/著 Michi
表と裏 両方から読める文字のない絵本です。
表紙をめくると背中を向けて足をふん張って立つ男の子。
また、反対の表紙をめくると同じ姿の女の子。
ふたりは外の世界へ歩き出し、やがて本の真ん中で出会います。
それから、また別の道をそれぞれ歩いて行きます。
細かく描かれた町のいたる所に物語があって何度も楽しめる絵本です。
 
 
□ 外商部おすすめの奈良本
内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで』 【講談社】 倉本一宏/著 12月21日発売予定
邪馬台国・狗奴国の戦い、壬申の乱、天慶の乱、前九年・後三年の役――
古代史上の内戦から日本という国の特質を描く画期的入門書!
 
 
「おすすめ児童書」・「おすすめの奈良本」1月号は、12月下旬に更新予定です! お見逃しなく!!
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