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啓林堂メールマガジン
8月号 2018.8.1
啓林堂書店 http://www.books-keirindo.co.jp
奥深いサメの生態をのぞき見!
ほぼ命がけサメ図鑑  「ほぼ命がけサメ図鑑」(講談社)は、シャークジャーナリスト・沼口麻子氏による、サメの生態解説&体験リポートを図鑑風にまとめた本である。
 必要とあらば漁師と共に早朝から海に出、捕獲したサメを直に観察・解剖、時にはサメのいる海へ自らも潜る。肉質を確かめるために深海ザメの試食もしてみたりと、著者は常にアグレッシブだ。ちなみにサメは白身魚のような淡泊な味がするらしい。本物のフカヒレとニセモノのフカヒレの見分け方など興味をそそる話題も多数登場している。

 大海原を自由に泳ぎ回るサメ。彼らはどうやって餌となる獲物を探しているのだろう。
 まず最初に嗅覚や聴覚、視覚を使い、サメは遠くにいる獲物との距離を詰めていく。だが、これらの感覚が特に発達している訳ではないため、サメは面白い秘密兵器を使う。頭部にある第六感のロレンチーニ器官である。
 ロレンチーニ器官は獲物の発する微弱な電流をキャッチし、より正確な獲物の位置を把握することを可能にする。例え獲物がうまく自分の姿を岩場や砂の中に隠していたとしても、サメはすぐに見つけることができるのだ。また、その獲物を捕らえるサメの歯は、摩耗しても何度も生え変わる優れもの。予備の歯がずらりと並んだサメの顎の写真は見ていて壮観である。

 私達はサメのことを知っているつもりで、実はほとんど何も知らないのかもしれない。本書で特にその印象を強くしたのがサメの生殖についてである。
 実はサメは種類によって卵を産む卵生、サメの子どもを産む胎生に分かれる。サメは魚類に分類されているが、全体でみると卵生より胎生の方が少し多いのだそう。(割合で3:7程度)てっきりサメは卵から生まれてくるものだとばかり思っていたのだが、全てのサメに当てはまるわけではない。なお、見た目で強烈なインパクトを放っているのはドリル状の形をしたネコザメの卵。メカブそっくりだと紹介されている写真を見比べると本当にそっくりで二度驚いた。また、シロザメは卵から孵ると兄弟同士で共食いをさせ、生き残った強い子どもだけを残すというサメの中でも特に生存競争の激しい方法をとる。サメの世界も中々世知辛い。

 サメを愛してやまない著者。だが、それ故にサメが世間から受けている誤解に心を痛めている。
 映画「ジョーズ」によって、印象付けられた凶暴な人食いザメのイメージは誤りであることを著者は指摘。なぜ、そのような誤解を受けることになったのか。映画のモデルとなった事件や当時の背景を追う。
 また、章末ごとのコラムも充実している。特に面白かったのが「背びれだけでサメとイルカの判断はつくか?」という問題。サメとイルカ、実は尾びれの動きが全く違う。ドルフィンキックで知られるイルカの尾びれは上下、一方のサメは尾びれを左右に振る。つまり、背びれと尾びれが常に同時に見えているのはサメという訳だ。
 本書を読み終える頃には、怖いイメージの強かったサメの印象が少し変わるはず。面白いサメの生態が詳しく紹介されている、ぜひ、隅々までじっくりと読んでみて欲しい。
今月の私の1冊
「さよなら妖精」
【創元推理文庫】  米澤穂信 著 ¥802
さよなら妖精 ユーゴスラビアからやって来た少女・マーヤと四人の高校生の交流を描いた青春小説。
高校生たちの日常に、ふと入り込んだ異文化の少女がもたらしたものは、新しい発見や驚き、今まではっきりとは見えていなかった外の世界の輪郭だった。
高校生ならではの憧れや期待感、マーヤの使命感は読み進めていて非常にまぶしく感じる。だが、後半一気に進む物語の中で、徐々に彼らを取り巻く環境は薄暗いものを帯び始める。
語り手・守屋路行の視点で話は進んで行くのだが、最後の最後になって明かされた真実と、ずっと見えなかったキーパーソン、太刀洗万智の本心に心が痛んだ。
ミステリ要素は薄めであるが、最後の謎解きでは思わず息をのんだ。本書を読み終えた後は、しばらく何も手につかなくなるだろう。「王とサーカス」をご存じの方も、そうでない方もぜひ。
今月の私の一冊
ミニコラム「私と本」
≪今月の担当≫ 生駒店 社員 吉井彬子
 私にとって本屋とは職場であり、心躍る場所であり、油断ならない場所である。
 本は好きだ。特に私は物語系が好きで読む本も小説ばかりだが、働いているとそれ以外の本を扱う時間の方がはるかに長いし、売れている本は品出しだとか問い合わせでよく目につく。するとその本がだんだん気になってくる。
 この本も面白そう…そうして私の欲しいものリストに日々追加されていく。このリストが空になる日は当分きそうにない。
Chat & Chat
 新聞の書評をよく読む。話題書、意外な切り口から紹介された全然知らない本。とりあえず興味をそそられたものは店頭で探してみようと思うのだが、いざ店頭に行くとタイトルが思い出せない。
 メモを取っても、今度はそのメモを忘れるため、最近はメモを取る事自体をあきらめた。一度気になった本ならそのうち出会う。そんなゆるいスタイルで今日もお店の中を散策している。
 
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ(http://www.books-keirindo.co.jp/gaisyoubu.html)にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
 
 
30000このすいか □ おすすめ児童書
『30000このすいか』 【くもん出版】  あきびんご/作
ある日カラスたちがうわさをしていました。「かわいそうにこの子たち食べられてしまうんだって・・・」
それを聞いた30000個のすいか。夜中に畑から大脱走! 山道をごろごろごろ・・・。
ええーっ! と、思いもよらない展開に大笑いしてしまう絵本です。
 
 
□ 外商部おすすめの奈良本
阿修羅像のひみつ 興福寺中金堂落慶記念』 【朝日新聞出版】 杉山淳司 ほか/著 8月31日発売予定
天平の至宝、興福寺阿修羅像等は2009年に九州国立博物館でX線CTスキャナで撮影された。3面の下に別な顔があった、正面で合掌していたなど、驚くべき発見があった。9年に及ぶ画像解析の成果を所蔵者、保存科学、美術史、彫刻家、木材学の専門家が明かす。
 
 
「おすすめ児童書」・「おすすめの奈良本」9月号は、8月下旬に更新予定です! お見逃しなく!!
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