光文社文庫さ35-2 額田王は、宝女王に取り立てられ、葛城王子の仕切る宮城で宮人としての勤めに邁進している。葛城の弟である大海人王子とは十市王女という娘までなしたが袂を分かち、歌詠みとして生きる道を模索するが--。百済の復興を目指しながら大敗を喫した白村江の戦い、古代史上最大の内乱と言われる壬申の乱、激動の飛鳥時代を生き抜いた歌人の半生を描いた大作。