『万葉集』は日本の言葉・文学・文化の源泉であり、日本人のものの見方や感性の源流である。四季の歌を通じてその感を深くする。歌が詠まれた土地を訪れ、花鳥風月を観賞・批評するエッセイ集。カラー写真や地図を多数掲載!
『万葉集』は日本人の魂のふるさと――
……『万葉集』を読み、古代の歴史を知った上でそこを訪れれば、三輪山も飛鳥川も石舞台をはじめとする古墳群も、それは普通の田舎の風景ではなく、当時に生きた人々が何を思い、何を喜び、また憂えたか。そよ吹く風と共に当時の人々の息吹が感じられ、単なる丘や森の風景ではなくなる。心の奥底に響くものがある。(「おわりに」より)