11月号 2022.11.1
啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/
「好きな戦国武将は誰か?」と問われて、まず皆さんは誰を思い浮かべるだろう。
常に人気武将ランキングの上位に名を連ねる「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」。いずれの人物も教科書に登場し、各時代の変遷を語る上で欠かせない人物だろう。
革命児として知られるが、残酷な一面を持つ織田信長。織田信長に重用され出世を果たしたという豊臣秀吉は人たらしだったという。幼少期の不遇から慎重な性格であったという徳川家康は時を待ち、関ケ原の戦いで豊臣家を討ち果たした。江戸幕府を開いたことから我慢の人だという印象が強いが、どこに本音があるのかが読めない狸親父としても知られる。
だが、私たちが抱いているそんな武将たちのイメージは、果たして彼らの本当の姿なのだろうか?
今回ご紹介する「戦国武将、虚像と実像」(角川新書)では、そんな私たちの持つイメージとは異なる戦国武将たちの姿が多数紹介されている。
例えば織田信長。実は人気武将として登場するようになったのはごく最近で、戦後までは人気がなかった。その人物像は戦前までは天皇を重んじる勤王家、戦後は天皇の権威に挑戦する革命児とまるで異なることに驚く。
私たちの知る破天荒なイメージの強い信長は一体どこから来たのか? 詳細はぜひ、本書をご確認頂きたい。
私たちの思い描く戦国武将の姿は小説やドラマの影響が大きい。史料をもとに作られた創作なので、当然ながらすべてが史実ではない。わからないところ、想像の余地があるところ・・・各時代に流行した小説や芝居にはその時代を生きた人々の需要が色濃く反映されている。そのため、世間一般に広くイメージされる戦国武将の姿は、時代によって時に大きく異なる。
史実が語られているはずの史料一つとっても、記されている情報をそのまま鵜呑みにするのは危険だ。
徳川家の治世であった江戸時代は、当然、滅ぼした豊臣家のことを良くは言わない。徳川家を持ち上げるのは当然だろう。武士道を重んじる時代、仕える主君に逆らうなど持ってのほかで、君主の理不尽も受け入れてこそ美しいという美徳があった。主君を裏切り、まして取って代わろうとするなど、江戸の人々には理解しがたい考えだっただろう。だが、江戸から明治に時代になると一変、今度は天皇が尊ばれる時代になる。
どのような時代背景のもとで作られた史料か、また、どんな時代を生きていた人々の元で語られていた人物像なのか。慎重、かつつぶさに観察していく著者の姿勢に好感が持てる。
時代の空気が当時を生きていた人々に無意識下で大きく影響を及ぼしていたことが分かり、大変興味深い内容だった。もちろん時代の影響を受けているという点は私たちも同じだ。通読して、司馬遼太郎の生み出した時代小説の影響力の大きさを改めて強く感じた。
史実とフィクションのはざまを行き来する、各武将たちのイメージの変遷をぜひ追ってみて欲しい。おすすめ!
ひとことに「国宝」と言っても、その時代背景や、選出基準、「重要文化財」とはどう違うのか? と問われて明確に説明できる方は少ないのではないだろうか。
本書はそんないまさら聞けない国宝の基礎知識の解説からはじまり、「絵画」「彫刻」「建造物」など、各ジャンルより選出された知っておきたい代表的な国宝をビジュアルも用いてわかりやすく解説している。
「人間国宝とは何か?」「国宝を壊してしまうとどうなるの?」など、各章末のコラムも充実。国宝ひとつひとつが持つエピソードに、深く興味をそそられる。
≪今月の担当≫ 商品部 部長・郡山店 店長 佐藤篤志
最近、読書をしていても集中力がすぐ切れてしまい、飛ばし読みになりがちだ。ストーリーや結末は覚えているが主人公の名前などすぐに思い出せなくなる。昔は読み進めても一向に減らないページ数に安堵し、その圧倒的なボリュームに感動すら覚えたのだが・・・。
読書の秋だし何かないかと家の本棚を見ていると、一度諦めた本がある。日本を代表する作家たちの短編集「幻視の系譜」だ。少々難しい話もあるが短編だし、固有名詞に注目しながらでも読んでみるか。
あっという間に寒くなってきました。朝晩の冷え込みが体に堪えます。
外で本を読むのがつらくなる前に、1冊でも積読本を減らそう、と意気込んだのも束の間、新刊発売、オススメのポップが踊る楽しそうな店内へ、またふらふらと呼び戻されて・・・
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
お月さまの上でうっとり寝ていたある動物。落ちてしまいます。
どきどきしながら、ページを下から上にめくっていきます。大丈夫かな・・・お星さまも心配しています。
でも大丈夫。無事着地できるんです。この動物はなんだろう。
落ちていく間のどきどきも体験してみてくださいね。五味太郎さんの描くキャラクターもかわいいです。
外商部おすすめの奈良本
『万葉考古学』
【KADOKAWA】
上野誠/編
11月24日発売予定
近年、あいつぐ古代遺跡の発見。多くの遺跡は、奈良と大宰府へと続く道沿いに点在している。その遺跡や道は、万葉集の舞台でもある。都が置かれた奈良はもちろん、大伴旅人・山上憶良らが活躍した九州では、「筑紫歌壇」ともいうべき文芸サロンの花が咲いた。大宰府や松浦などの地名が歌に詠まれるのは、そのためだ。考古学の視点で万葉集を読み解くと、どのような風景が見えてくるのか。都市や交通、境界をテーマとして、第一線の研究者が、今、万葉の世界に迫る画期的な試み。
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