10月号 2026.10.1
先月から紹介したくてうずうずしていた本を今月は紹介したい。重版を心待ちにしていた本である。
タイトルは「科学の教養大全 生命・地球・植物・動物・宇宙をめぐる46億年の物語」(Gakken)。様々なテーマを「科学」で読み解く雑学系の本である。
著者は科学教養系YouTuberとして人気を博している九和律。“「知ること」は、古来から人類が愛してきた最高のエンターテインメント”、と「はじめに」で語られている通り、私たちのなぜ? に科学の視点で答えてくれる本になっている。
本書では、私たちの身の回りの言われてみればわからないこと、現象としては知っているのに、ほぼ理由を答えられないものを中心に取り上げる。素朴な疑問だが、実は本質をつく問題。取り上げられているそんなテーマの一部を紹介してみたい。
まずはご存知の方も多いだろうこんなテーマから。「違う血液型の血を混ぜるとどうなる?」
そんなことしたら大変! 死んでしまう! という声がおそらくたくさん返ってくると思う。これはその通りで、基本0型以外の血液型というのは、自身の血液型以外の血を混ぜると血が固まってしまう。輸血時に自分と同じ血液型の血を使う理由である。
なぜ固まってしまうのか? これは血液を構成している赤血球の抗原の型が血液型によって異なっているのが原因。A型とB型では持っている抗原が異なるため、A型にしかない抗原、B型にしかない抗原が存在する。自身の持たない抗原は異物判定されるため、A型はB型の、B型はA型の抗原をそれぞれ攻撃してしまうのである。
ではA型、B型の抗原を両方持つAB型の場合はどうなるのかというと――本書解説のページに載っているイラストが理解の手助けになる。O型がC型と呼ばれない理由についても、納得できるのではないだろうか。
また、コラムに登場するテーマが考えさせられる。「宇宙人に出会ったとして、どうやって「左」を教えるか?」
宇宙人はこちらの言語を理解できる、という前提条件があるのだが、言語だけを使ってうまく説明できるだろうか? お茶碗を持つ方が左、心臓がある方が左、という伝え方はできない。なぜならこれは地球基準の考え方であり、そもそも宇宙人が右利きなのか、体の構造が人間と同じなのは分からないからだ。難題である。
他にも「なぜ人間は、肉食動物(人間含め)を食べないのか?」 「ウシなどの草食動物は、草しか食べないのになぜムキムキなのか?」「なぜブラックホールはすべてを飲み込まない?」など、気になるテーマが多数取り上げられている。
軽妙な語り口と時折混ざる毒が、本のページを繰る手を加速させる。厚みは2センチくらいあったと思うのだが、あっという間に読了してしまった。気になるテーマから読むのもオススメ!
先日エジプトのツタンカーメン王墓の奥に、巨大な空間が広がっていることが分かり、大きなニュースになっていた。ツタンカーメンの義母・ネフェルティティの墓の可能性もあるとのことで、ピラミッドがまた脚光を浴びそうである。
エジプトの王墓の象徴とも言えるピラミッド。実はどのように建設されたかについては、諸説あるものの詳細が現代でも明らかになっていない。
本書はそんな未解明のピラミッド建設の謎に迫る新時代小説。発掘現場で見つかった“謎の遺物”をきっかけに、令和の鳥取県庁職員、研究者たちがピラミッド建設の謎に挑むことになる、というストーリーだ。果たして現代にピラミッドを作ることは現実的に可能なのか? 史実とフィクションを巧みに織り交ぜて話が展開されていくのだが、苦難は当初想像していたよりもはるか上、という印象だった。詳細はぜひ本書でご確認を!
≪今月の担当≫ ジュンク堂書店奈良店 社員 渡部大輔
本は不思議なものだ。
同じ一冊でも、読む年代によって感じるものが違ってくる。
先日、何気なく昔読んだ小説を手に取り読んでみて、登場人物の言葉に感動を覚えた。
昔読んだ時には何も感じなかった言葉が、この年になって刺さったのである。
そのとき、本は物語を読むだけのものではなく、自分自身と向き合うきっかけを与えてくれるものだと感じた。
心に残った言葉は消えない。
本とは、読み終わってからも続いていくものかもしれない。
しおりが手元にないとき、近刊案内のチラシをしおり代わりによく使うのですが、先日読み終わった本の最終ページから、なぜか三センチ四方の小さなステッカーが出てきました。A5判型の本にはさんでしおりにするには少し心許ないサイズ感。私はなぜあえてステッカーを・・・? 一か月ほど前のことがすでに何も思い出せません。
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
月が出たり隠れたりする夜、きつねは何やら不気味なものに出会います。
ひとだまー?!かと思ったら、白菜でした!次々お化けのような白い影が現れますが・・・
みんなおいしそうな食べ物。いったい何が始まる?奇想天外岡田よしたかワールドを体感してください!
外商部おすすめの奈良本
『やまと尼寺 精進日記 4 おいしい日々』
【NHK出版】
10月26日発売予定
累計発行部数24万部を突破した人気シリーズ、待望の最新刊。御年75歳となられたご住職の明朗で豊潤な日常と、季節の恵みを存分にいかした精進料理を紹介。いくつになっても、ひとりでも、里の人々の協力を仰ぎながらたのしく生きるご住職の「まんぷくライフ」を、四季それぞれの料理レシピをまじえつつ、深みのある言葉・魅力的な笑顔と共にお届けします。放送開始からナレーションをつとめる人気俳優・柄本佑さんがご住職のもとを訪ねた「お寺だより」を特別収載。ファン必携の1冊です。
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