最近 AI という言葉をよく耳にする。 AI と聞くとすごくハイテクで便利、という印象が先行するのだが、では AI を説明してみてください、と言われるとあまり自信はない。
AIとは何だろう。そもそもどんなものなのだろうか?
今回ご紹介するのは累計200万部突破の大人気シリーズ、「学校では教えてくれない大切なこと」の最新刊、『 AIって何だろう? 人工知能が拓く世界 』(旺文社)。子ども向けだが、マンガも交えた豊富なイラストと解説が理解の手助けをしてくれ、大人にも楽しく分かりやすいものとなっている。
AIの技術が発達したAIランド島(じま)。主人公のじん子ちゃんは、島に住むファジ井先輩、ゴリさん、なっちゃんたちとの交流の中でAIについて学んでいくのだが、様々な問題がじん子ちゃんたちを襲って・・・?
まずAIとはそもそも人工知能のこと。ロボット本体ではなく、人間で言う脳の部分がAIにあたる。
イメージで万能だと思われがちなAI。だが、最初から何でもできるわけではない。まずは人間がAIに情報を与え、学習させる必要がある。データを蓄積させていくことによって、やがてAIは学んだ範囲から正しい答えを導けるようになっていく。だが、それには膨大な時間と手間がかかるため、これまでは実用的ではなかった。
そんなこともあり、現在のAIブームは第3次AIブームと呼ばれている。随分昔に第1次、第2次のブームがあったのだが、その際はコンピュータにさせることの限界や、コンピュータへ学習させる人間の手間と膨大な時間がネックになり、ブームで終わってしまったのである。
そこで近年注目されているのは、AIが自分で学び、学習していくという新たな方式、ディープラーニングだ。人間があらかじめ学ばせる範囲を指定しておく必要はあるが、指定された範囲内でAIが必要な情報の特徴を捉え、自分で考え学習していくのである。
ではこれでAI万々歳かというと、そう簡単に片付かない。今度はAIが導き出した答えが本当に正しいのか、人間の判断がつかない、という事態が想定されるようになったのである。
よくSF世界などではAIの反乱が描かれる。AIが暴走し、人間に危害を加えるという話は皆さんも一度は聞いたとがあるだろう。だが、本来AIとは人間が制御しているもの。AIが人間相手に勝手に悪さを働くということをは考えづらく、暴走なんてしない、と主張する人もいる。本書を読み進めた上で、あなたはどう思うか考えてみて欲しい。
AIの入門書に最適! 何だか難しそう…と、二の足を踏んでいた方にこそ、ぜひ本書を読むことをおすすめする。
じん子ちゃんとゴリさんたちとのかけあいにも、ついくすり、としてしまうはず!