4月号 2026.4.1
啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/
雑誌でおなじみのNewtonから、少し意外で面白い本が出ているのを先日発見した。
今回ご紹介する本は「図だけでわかる!哲学」(ニュートンプレス)。
本書は、哲学はちょっと苦手かもと身構えてしまった方、過去に哲学関連の本を読んでみたものの理解が追いつかなくなって途中で挫折してしまった方にこそ、おすすめしたい一冊になっている。
本書は図やイラストが随所に盛り込まれており、哲学を題材に扱っている他の書籍とは少し様相が異なっている。
解説もSTEP1~3の通りに順次読み進めていけば理解できるよう、シンプルな構成になっており、哲学を今から学ぼうとする初心者にも優しい設計だ。
有名な哲学者の名前は聞いたことがあっても、実際どんなことをした人なのか、何を発見した人なのかまではよく知らない、「テセウスの船」や「トロッコ問題」って、結局どういうことを言っているの? など、あいまいな知識を固めたいと思っている大人の学び直しにも最適だ。
哲学が最初にあったからこそ、科学が生まれた――そんな話が本書の冒頭に登場している。意外にも哲学は科学とも関連性が高い分野だ、というのは皆さんご存じだっただろうか。
科学と哲学は同時に発展してきた歴史を持ち、それぞれの受け持つ分野は明確に分けられている。分野別にされている学問が現在、哲学とどのような位置づけにあるのかを見てみるのも面白い。
また、本書の後半からは昨今のAI事情も題材として扱われている。
「AI と人、政治家に向いているのはどちらか」、「喜怒哀楽を表現するAIは“心”があるといえるのか」など、今すぐ明確な答えは出ないが、今後議論を深めておく必要のある重要な問題が投げかけられている。
「あなた自身」は「体」と「脳」のどちらにあるのか。この問いにあなたはなんと答えるだろう?
現代の技術の発展は著しく、私の思考や性格を完全に再現したAIにより、「もう一つの私の脳」が登場する日はそう遠くない未来まで来ている。たとえ私の元の体が死んでしまっても、AIが完全再現した私の脳が働き続けているならば、私は生きている、と言えるのだろうか。それは本当に私だと言えるのだろうか? 「テセウスの船」の章も合わせて読みつつ、深く考えたい問いである。
本書を読んで少し物足りない、もっと哲学について深く学びたい、と思われた方はNewtonの別冊で「AI時代の哲学」という本が出版されている。また、図だけでわかる!シリーズは、他にも最初のハードルが高い、と感じてしまうような題材を積極的に展開しているので、気になった方はぜひそちらもチェックしてみて欲しい。
「時間とは何か」
【ちくま文庫】
池内了/著 ヨシタケシンスケ/画
「時間って何?」シンプルながら最大の難問に著者が鋭く斬り込む。
時間とは不思議なもので、目に見えず、誰しもが普段感じているもののはずなのに、その感じ方は人によって大きく異なる。
楽しくてあっという間に過ぎ去ってしまう時間もあれば、いつまで待ってもやってこない、退屈でじれったく思う時間もある。夢の中で感じる時間はずっと続くような感じがして、普段日常で感じている時間とはまた別物のような気がする。私たちが普段時間を感じているときを思い出してみればみるほどに、時間とは何か?という謎はますます深まっていく。
普段私たちがどのような時間の中で生きているのか、深く考えるきっかけを与えてくれる一冊。可愛いイラストも必見。
≪今月の担当≫ 学園前店 店長 中村潔
店にいると長い間会っていなかった人同士が、久しぶりに出会う光景をよくみる。書店には決まった本を買うだけでなく、立ち読みに来たり待ち合わせをしたり色々な人が来店される。書店業界は厳しい状況でマイナスな話ばかりが蔓延しているからこそ、こういう光景を見るとなんだかほっこりとして嬉しい気持ちになる。
地元という事もあって以前は学生時代の友人に会う事もあったが、段々そういう機会が減っているのを寂しく思っている。
やっとやってきたぽかぽか陽気。これで平日の読書もはかどるかと思いきや、通勤の行き帰りの電車は最近睡魔に負けてしまっています。
これではいけない、睡魔すら吹き飛ばしてしまう面白い本が、まだ積読たちの中にたくさん眠っているはず・・・! ひとまず一冊カバンの中に忍ばせてみたのですが、今のところは電車の座席に座った瞬間眠ってしまっています。
まずは電車の中で本を開く努力をしなければ。
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
おすすめ児童書
『かっこいいピンクをさがしに』
【福音館書店】
なかむらるみ/文・絵
「ピンク」という色は、時代や国によってどのようにとらえられてきたのでしょうか。
新聞の読者投稿記事をきっかけに、色々な分野の専門家に話を聞き、「かっこいいピンク」とは何かを解き明かしていきます。
「ピンク」という色をめぐる、さまざまな価値観に触れることができます。
外商部おすすめの奈良本
『カラー版 古代史の謎を解く! 日本の古墳100選』【宝島社】
若狭徹/著
4月28日発売予定
「日本の古寺100選」「日本の神社100選」「日本の聖地100選」につながるカラー版新書の最新版。全国に16万基以上ある古墳から、読者の興味を引く古墳をセレクト。古代天皇と地方豪族の巨大古墳、ヤマト王権成立前後に建造された古墳、東京の古墳、国宝級の遺物が発見された古墳など、古代史ファンが行きたくなる100の古墳を解説。
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