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外科医が語る驚くべき人体のしくみとは・・・? 2021.10.1

10月号 2021.10.1
啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/

外科医が語る驚くべき人体のしくみとは・・・?

 あなたは人体について、果たしてどれくらいのことを知っているだろう? 
 今回ご紹介するのは『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』(ダイヤモンド社)。医学という学問の魅力がたっぷり収録された一冊である。

 

 体重が50キロの人の場合、頭は5キロ、足は一本あたり約10キロ、腕も一本あたり4~5キロほど・・・と聞くと、私たちが普段、いかに人体という重たいものを意識せず運んでいるのかということに驚く。優秀なことに私たちの体は生まれてから今まで、自分の体を運ぶのに必要なだけの筋肉を自然に鍛えてしまうのである。宇宙飛行士が久々に地球に戻ってきて、地上でうまく歩けない・・・という様子の映像を見たことがあるかもしれない。これは重力のない宇宙空間で長らく自身の体の筋肉を使っておらず、体を支えるだけの筋力が衰えてしまったからにほかならない。
 なお、医療現場では患者を他のベッドを移したりする際、四、五人がかりでやっと一人の患者を移動させる。私たちは自分の体なら特に意識せず体を運ぶことができるのだが、人の体となるとそうはいかないのだ。特に驚くのは、重たい手足は胴体と狭い面積でしかつながっていないために、慎重に扱わないと瞬く間に関節を痛めてしまう可能性があるということ。人の体を運ぶ際には、細心の注意が必要なのである。

 

 私たちの面白い体の機能に、「明順応」「暗順応」というものがある。明るい部屋から急に暗い部屋に入ると、真っ暗で何も見えず、目が暗闇に慣れるまでに少し時間がかかる・・・というのはおそらく皆さんも経験したことがあると思う。また反対に、暗い部屋から明るい部屋に出ると最初は眩しくて目が開けていられない・・・と感じたこともあるのではないだろうか。それぞれ、明るい場所に目が慣れるまで(「明順応」)にはおよそ5分、暗闇に目が慣れるまで(「暗順応」)には30分程度、時間がかかると言われている。
 映画などに登場する海賊が片目に眼帯をしている理由は、一説には暗順応を維持するためと言われているそうだ。眼帯を少しずらせば明るい甲板から暗い船倉に入っても目が使えるというわけである。万一戦闘になったとしてもすぐに対応ができる、ということを考えているのであれば、大変合理的な判断をしていると言える。

 

 どの章も大変読み応えがあるのだが、第3章「大発見の医学史」では現代の発達した医学のありがたみを実感する偉人の話が収録されている。
 消毒を広めた外科医の話では、手洗いが当然ではなかった時代の、今では考えられないような現場の実態が紹介されている。
 また、今も外科手術で欠かせない麻酔については、当初麻酔として応用できないかと目をつけられたある意外なものが紹介されていた。ある意外なものとは・・・? なお、外科手術は麻酔がなかった当時、激痛に耐えながら行われるものだったそう。麻酔のある現代に生まれてよかったと心から思う。

 

 平易な表現でわかりやすく解説がされているため、人体及び医学を楽しく学ぶことができる。ぜひ人体の不思議をあますところなく楽しんでみて欲しい。おすすめ!

<今月の私の一冊>

よくわかる思考実験
【イースト・プレス】 髙坂庵行/著、unpis/絵

 木造の一艘の船を傷みのため、修復することになった。傷んだ部品を取り換え、その後も使用を続けていたが、年数の経過と共に他の部品も交換が進み、やがて船は全て新しい部品に取り変えられた。だが、ここで一つの疑問が浮かぶ。
 仮に傷んだ部品が全て保管されていたとして、全く同じように組み立てられたとしたら、この二艘の船は果たしてどちらが「オリジナル」と言えるのだろうか?
 疑問の提起や問題解決を全て頭の中で行うことを「思考実験」と呼ぶ。冒頭に紹介したものは「テセウスの船」と呼ばれるものだ。
 「思考実験」による問題提起は回答が得られる場合と得られない場合があるが、その点も含め、本書で紹介されている「思考実験」には、普段の日常で感じる疑問や矛盾に多く心当たりがあることに気づく。
 有名な「囚人のジレンマ」「シュレディンガーの猫」のほか、時間の進み方に違いがあるのかを考える「双子のパラドックス」など、興味深い例が多数あげられている。興味がわいた方は、ぜひ!

ミニコラム「私と本」

≪今月の担当≫ 外商部 表野弘樹

 皆さんはいつ読書にハマりましたか?私は高校時代だったかな~とうっすら記憶しています。朝礼の間に10分程度の「朝読」という時間が設けられていました。10分では足りず、教科書を盾にして授業中も朝読の延長戦を開催していたのは良い思い出です。当時はホラー小説を好んで読んでいましたが、今は怖くて読めなくなってしまいました。中高生の間では今でも人気のジャンルだそうです。ちなみに大学に入った後も教科書を盾にしていました。

Chat&Chat

 ようやく朝晩は過ごしやすい気候になってきました。読書のはかどる季節、当面は積読の山を一つ制覇が目標です。

◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆

啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!

おすすめ児童書

ハロウィーンってなぁに?

【主婦の友社】

クリステル・デモワノー/作 中島さおり/訳

 今日はハロウィーン。魔女たちがかぼちゃを集めています。
 魔女のビビはみんながなんでかぼちゃを集めているのかわかりません。おばあちゃん、教えて!
 おばあちゃんは、ハロウィーンって何だろう、かぼちゃって何に使うの? といろいろな疑問に答えてくれます。
 かぼちゃのランタンやかぼちゃのタルトの作り方ものっています。

外商部おすすめの奈良本

シリーズ旅する日本百選2 名城を訪ねる旅 西日本編』 

【東京ニュース通信社】 「名城を訪ねる旅」製作委員会/編集 
10月12日発売予定

 数ある日本百選の名所や旧跡などを、その関連地域を含めて紹介していくシリーズ「旅する日本百選」の第二弾。今回は西日本の名城50城を紹介していく。「旅情も味わえる名城」というくくりで選定を依頼したのは“城マスター”こと千田嘉博奈良大学教授。城めぐりの楽しみ方を“城メグリスト”こと萩原さちこ氏と、「博士ちゃん」でおなじみの“子どもお城博士”栗原響大くんが座談会形式で紹介していく。

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