普段、何気なく目にしている雑草。花壇の端や道端、アスファルトの隙間からと、どこにでも生えて、しぶといイメージが皆さんの中にはあるのではないだろうか。
そんな強いイメージのある雑草だが、実は植物の中では弱い存在だった。弱いからこそ、彼らは自分達の生き残りをかけて様々な工夫を凝らしていたのである。
雑草をあえて育ててみた、という著者の観察が非常に興味深く面白い。一斉に種を蒔いてもすぐに芽は出ず、発芽するタイミングはそれぞれバラバラ。普段見慣れている花壇に植えられた花々や、流通している野菜などが、いかに管理しやすい性質になっているのかを実感する内容となっている。
雑草は踏まれても踏まれても立ちあがる? 実はそれも間違い。彼らは“あえて”立ち上がらないのである。
雑草の秘密に迫る1冊。